グラス一杯、なにかを

とりあえず書き置く癖からつけようぜ

誕生日はB’zのホットパンツ探して過ごした

 
 
32歳の誕生日は、某宅にてYouTubeB’zのホットパンツ姿の動画を探しながら迎えた。
 
マジやで。
 
いやはや先日、友人とハッピーアワーのワインボトル1000円キャンペーンでノリノリになってしまい、その勢いでカラオケに行った。
最初は二人で飲んでいたけれど、酔った勢いでもうひとり呼びつけるぐらいに上機嫌だった。そして3人でジャンカラに雪崩れ込んだ。
 
で、ふと友人がB’zを入れた。
そこで流れてきたPVを観てたら、ふと歌っていた友人が叫んだ。
「このPVさぁ…稲葉さんホットパンツのイメージなかった!?」
「私もあった!」
「俺もあった!」
その場にいた3人全員、「B’z=ホットパンツ」のイメージがあった。
3人全員「ウルトラソウル」の稲葉さんはホットパンツ、という思い込みをしていた。
 でも、ホットパンツのイメージがあったB’zは、実際は長ズボン姿で歌っていた。なんかヒョウ柄の長いガウンみたいなんは着とったけど、でも短パンちゃう、長ズボン。
 
この日以来、私たちの心の奥には
「我々は一体どこでB’z=ホットパンツというイメージを抱いたのか?」という小さな疑問がくすぶることとなった。
 
 
で、それをなぜか誕生日前夜に思い出した。
誕生日前夜を彼氏(先述のカラオケに酔っ払い二人に呼びつけられた哀れな善意の塊)の家で過ごしていた。
最初は二人で何気なくYouTubeを観ていただけだった。彼氏の家にはPS4があるので、ゲームをするにも十分なそこそこ大きなサイズのテレビでYouTubeを観ることができる。
最初は誕生日だとか何だとかは関係なく、劇的な事件もなければサブライズも記念日に託つけたどうたらこうたらもない、何の変哲も無い、けれどもゆえに愛おしい日常の延長で、YouTubeを観ていた。
昭和60年代生まれの、平成の31年と少しを物心つくかつかないやの頃からフルで突っ走ってきた2人は、
ラルクの3部作さぁ、HONEY派?花葬派?侵食派?」とか
小室哲哉のヴォーカル聴いたことある?V2っていうTKとYOSHIKIのユニットあるねんけど色々やばい」

V2 - 背徳の瞳 ~Eyes of Venus~ - YouTube

とか
GLAYのwinter ageinのPVでTERUのポーズを再確認…と思ったらwinter ageinのPV、結構TERUのドアップの占める時間多いな」
ラルクHONEYのPVで思い出したけど、円形の個室がぐるぐる回転して、関係ない外国の女の人がちょいちょい挟まれるPVってあるよな」
LUNA SEAってさあ、男の子に人気あるけど女の子はそこまでだった感じ」
だとか、良き平成の話を穏やかにしてた。
 
のにさ、こんなに平穏な夜に、唐突にあの日熱唱したカラオケのことを思い出した。
B’zのホットパンツの動画、探す?」
 
あの日以来、くすぶり続けていた疑問。
B’z=ホットパンツだと思っていたのに、意外とホットパンツを履いていなかった彼ら。
じゃあ、B’zの何の歌が我々にホットパンツのイメージを植えつけたんや!
B’zがホットパンツで歌っとる曲って、何やねん!!
 
そして我々はプレステのコントローラーで、<B’z ホットパンツ><B’z 短パン>という検索ワードを打ち込み続けた。そうこうしていたら、日付が変わリ、私は誕生日を迎えていた。
 
誕生日ももう32度も迎えていたら、おめでとうの一言をかけていただける人に一人でも恵まれるだけでも有難いほどで、いちいちハッピーだ!バースデーだ!ちょっとした祝賀じゃ!というイベント性からは年々遠ざかっていく。毎年当然に迎えるものといえばそれまでだ。だから、誕生日に求めることなど、実はそんなにない。当たり前に到来するものを当たり前に通りすがる。ただそれだけのことだ。
 
ただ、今年はその通りすがる道すがらに、B’zがいた。大したB’zファンでもないのに、(嫌いではないし、友人の披露宴の退場曲がB’zだった時はなんていい歌なのだろう、と心から感激した)、必死にB’zの動画を追い求めていたら、0時の鐘が知らず知らずのうちに鳴り終わっていた。松本孝弘レスポールの音色にかき消されて。31歳だったシンデレラは、「あたいらのB’zのホットパンツのイメージどこから来てんや」と心のカッターナイフで刻んだガラスの靴を落として駆けて行った。
 
 
ちなみにB’zのホットパンツ動画は結局これと行って見つからなかった。
後日、先日たまアリにB’zを観に行ったファンの友人にLINEで訪ねてみたところ「ホットパンツのイメージはあるけど初期、ウルトラソウルの頃はもう(ズボンが)長いな」という返事をいただいた。
 
B’zはようわからんけどかつてホットパンツ」ということだけ覚えて、初めての32歳の夜へ眠りに落ちた。